古事記 上卷 黄泉国 -1

於是
ココニ

欲相見其妹伊邪那美命
ソノイモ イザナミノミコトニアイミムトオモホシテ

追往黃泉國
オヒテヨモツクニニイキタマヒキ

爾自殿騰戸出向之時
ココニトノノアゲトヨリイデテムカヒシノトキ

伊邪那岐命語詔之
イザナギノミコトカタリテノタマハクノ

愛我那邇妹命
ウルハシアガナニモノミコトヨ

吾與汝所作之國
アレトイマシトノツクリシトコロノクニハ

未作竟
イマダツクリオヘザリキ


カレ

可還
カヘルベシ

爾伊邪那美命答白
ココニイザナミノミコトコタヘテマオサク

悔哉
クユルヤ

不速來
ハヤクキマサズ

吾者爲黃泉戸喫
アレハヨモトノクラヒモノヲシマツリキ


シカレドモ

愛我那勢命
ウルハシアガナセミコト

入來坐之事恐
イリキタリマシシノコトカシコミマツル


カレ

欲還
カヘリタマヒテ

且與黃泉神相論
マタヨモツカミトアヒトキタマハムトオモホス

莫視我
アレヲミルナカレ

如此白而還入其殿內之間
コノマオセシゴトシスナハチソノトノノウチニカヘリイリシノマ

甚久難待
ハナハダヒサシカリテマチガタシ


カレ

刺左之御美豆良
サノミミミヅラニサシタル

湯津津間櫛之男柱一箇取闕而
ユツツマクシノヲバシラヲヒトツトリカケテシカルニ

燭一火入見之時
ヒトツホヲトモシタマヒキ イリタマヒメシシノトキ

宇士多加禮許呂呂岐弖
ウジタカレコロロギテ

於頭者大雷居
カシラニオイテハオホイカヅチヲリテ

於胸者火雷居
ムネニオイテハホノイカヅチヲリテ

於腹者黑雷居
ハラニオイテハクロイカヅチヲリテ

於陰者拆雷居
ホトニオイテハサクイカヅチヲリテ

於左手者若雷居
ヒダリテニオイテハワカイカヅチヲリテ

於右手者土雷居
ミギテニオイテハツチイカヅチヲリテ

於左足者鳴雷居
ヒダリアシニオイテハナルイカヅチヲリテ

於右足者伏雷居
ミギアシニオイテハフスイカヅチヲリテ

幷八雷神成居
アハセテヤイカズチノカミナリヲリキ

山


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