古事記 上卷 因幡の白兎(イナバノシロウサギ) -1


カレ

此大國主神之兄弟
コノオホクニヌシノカミノアニオトノ

八十神坐
ヤソカミイマシ

然皆國者
シカルニミナノクニハ

避於大國主神
オホクニヌシノカミヲオイテヤラヒキ

所以避者
ヤラヒシユエハ

其八十神
ソノヤソカミ

各有欲婚稻羽之八上比賣之心
オノオノニイナバノヤガミヒメトヨバハムトネガヒシノココロアリ

共行稻羽時
トモニイナバニユカムトセシトキ

於大穴牟遲神負帒
オホナムチノカミニオイテフクロヲオホシ

爲從者率往
ツカヒヒトノタメニヒキイテユキキ

於是
ココニオイテ

到氣多之前時
ケタノサキニイタリシトキ

裸菟伏也
アカハダカノウサギフシキナリ

爾八十神謂其菟云
ココニヤソカミハソノウサギニイヒシク

汝將爲者
イマシノマサニセムトスルコトハ

浴此海鹽
コノウミノシホヲアビ

當風吹而
カゼノフクニアタリテシカルニ

伏高山尾上
タカキヤマノヲノウエニフセトイヒキ

故其菟
カレソノウサギハ

從八十神之教而伏
ヤソカミノノリノマニマニシカルニフシテ

爾其鹽隨乾
ココニソノシオカルルマニマニ

其身皮悉風見吹拆
ソノミノコトゴトカゼニフカレミテサケシ

故痛苦泣伏者
ユエニイタククルシクナキフセバ

最後之來大穴牟遲神
イヤハテニコレコシオオアナムヂノカミ

見其菟言
ソノウサギヲミテイヒシク

何由
イカナルユエニ

汝泣伏
イマシハナキフスヤ


敷津松之宮・大国主神社





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