古事記 上卷 幷序 第参段 古事記の成立 -2

於焉
コレニオイテ

惜舊辭之誤忤
キウジノゴゴヲオシミ

正先紀之謬錯
センキノビュウサクヲタダス

以和銅四年九月十八日
ワドウヨネンクガツジュウハチニチヲモッテ

詔臣安萬侶
ヤツカレヤスマロニ

撰錄稗田阿禮所誦之勅語舊辭以獻上者
ヒエダノアレ コノチョクゴサレシキウジヲヨウストコロヲセンロクセムヲショウスモチテケンジョウスルハ

謹隨詔旨
ツツシミテミコトノリニシタガフ

子細採摭
シサイニセキス


シカルニ

上古之時
イニシヘノトキ

言意並朴
コトノオモヒナラビテボクニテ

敷文構句
ブンニシキクニカマハズハ

於字卽難
モジニオイテスナハチガタシ

已因訓述者
スデニヨミニヨリテノブレバ

詞不逮心
ウタゴコロヲトラヘズ

全以音連者
スベテコエヲモッテツラヌルハ

事趣更長
コトノオモムキサラニナガシ

是以今
コヲモチテイマ

或一句之中
アルヒハイックノナカニ

交用音訓
コエヨミトモニモチヒ

或一事之內
アルヒハヒトコトノウチニ

全以訓錄
スベテヨミシルシヲナス


スナハチ

辭理叵見
ジリミルニカタシハ

以注明
ツグヲモテアキラカトナシ

意況易解
オモヒアリサマトクニヤスシハ

更非注
サラニツグニアラズ


マタ

於姓日下謂玖沙訶
カバネニチゲニオイテクサカトイヒ

於名帶字謂多羅斯
ナニオキテタイノジヲタラシトイフ

如此之類
コレノルイノゴトクニシテ

隨本不改
モトニシタガヒアラタメズ

天岩戸神社




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